JLPT N2 · Graded reading
赤い手袋
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それほど、自分に親しいものでありましたから、政雄は、惜しくてなりません。それよりも、もっと、こんなに寒いのに、雪の上に落ちていることが、手袋にとってかわいそうでなりませんでした。
「どんなにか手袋は、家に帰りたいと思っているだろう。」と考えると、政雄は、どうかして探してきてやりたい気持ちがしたのであります。
けれど、そのとき、やさしい姉さまは、政雄をなぐさめて、
「わたしが、またいい代わりをこしらえてあげるから、この風の寒いのに、わざわざ探しにいかなくてもいいことよ。」とおっしゃったので、ついに政雄は、その赤い手袋のことをあきらめてしまいました。
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From 小川未明, 赤い手袋 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.