JLPT N2 · Graded reading

日月ボール

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孝ちゃんの、近所に住んでいる自動車屋の主人は、変わった人でした。ぼろ自動車を一台しか持っていません。それを自分が、毎日運転して、町の中を走っているのでした。

この自動車も、もとは、りっぱなものでした。主人の清さんが、若い時分、金持ちの運転手を長くつとめていて、やめるときに、金持ちが、その自動車をくれたのでした。それから、何年たったでしょう。

欲のない清さんは、金をためるということをしませんでした。自動車は、だんだん古くなり、破れてきたけれど、新しいのを買うお金はなかったのでした。

From 小川未明, 日月ボール via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.