JLPT N2 · Graded reading
ある冬の晩のこと
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「まあ、それはかわいそうに。私も、もう日が暮れて困っているのですよ。ここに、これんばかりしかお金がありません、少ないがこれだけ、あなたにあげましょう。」と、哀れな女は、軽い財布を振って、少女にいくらかお金を与えたものでした。少女はそれを手に受けると、
「おばさん、ありがとう、おばさん、ご恩は忘れませんよ。わたしの力でできることなら、おばさんになんでもいたします……。」といいました。
「あんたは、まだ、小さいから、なんにもしてくださらなくてもよいのです、さあ、早く、お家へお帰りなさい。そして、よくお母さんの看病をして、おあげなさい。」と、彼女は答えた。
From 小川未明, ある冬の晩のこと via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.