JLPT N1 · Graded reading

正二くんの時計

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「なくなることはない。高くなっても、お前が中学へ上がるときには買ってやるから、心配しなくていい。」と、お父さんは、いわれたのでした。

学校では、小谷も、安田も、森も、みんな時計を持っていました。いままで持っていなかった高橋も、このごろ買ってもらったといっていました。正二くんは、みんなが上着のそでをちょっとまくって時計を見るときのようすが、目についていてうらやましくなりました。時計があると徒競走をしても、タイムが取れるし、学校へいくバスの中でも時計があれば、安心できると思ったのです。正二くんは、いつか兄さんがいい時計を買いたいといっていたことを思い出して、兄さんのところへいきました。

From 小川未明, 正二くんの時計 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.