JLPT N1 · Graded reading
台風の子
100% N1 vocabulary · 207 characters · 0 words to look up
「きっと、お父さんの魂は、風に乗って帰ってきなさるだろう。」と、龍夫の母親は、いいました。彼の耳には、いつまでもその言葉が、消えずに残っていました。それで、台風の日には、かならず父親の魂が、飛ぶ雲と風に乗ってくるものと信じていました。
「台風は生きているってね。」
「ああ、僕の兄さんもそういっていた。」
「風が、ほんとうに生きているのかしらん。」
「目もあるし、口もあるし、尾もあるというから、生きているのさ。」
From 小川未明, 台風の子 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.