JLPT N1 · Graded reading
小さな草と太陽
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草は昔のことをすっかり忘れてしまって、夢を見るような気持ちでその日を送っていました。やがて、夏も末に近づくと、太陽はふたたび草の上に現れました。
「もう俺は南へ帰る。おまえともこれがお名残だ。」と、太陽は、いつになく悲しそうな顔をしていいました。
けれど草は、そんなに悲しいとも思いませんでした。青木の木より、俺は高いと心の中で誇っていたからです。しかし、太陽が南へ去ってしまうと、まもなく、草は枯れてしまいました。
From 小川未明, 小さな草と太陽 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.