JLPT N2 · Graded reading

青いボタン

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ある日のこと、先生は、みんなに向かって、

「水野さんは、遠い国へ引っ越しなすって、学校を退きましたから、空いている席を順につめてください。」といわれました。正雄は、はじめてそれと知ってびっくりしてしまったのです。

「どこへ越していってしまったろう。」と、正雄は、彼女を思い出してさびしい気がしたのであります。

正雄は、彼女からもらった、三個のボタンを取り出してながめていました。はじめは、それほどとも思わなかったのが、だれでも、このボタンを見た人は、「まあ、きれいなボタンだこと。」といって、ほめぬものはなかったのでした。

From 小川未明, 青いボタン via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.