JLPT N1 · Graded reading
つばめと魚
100% N1 vocabulary · 224 characters · 0 words to look up
少年は金魚をちょっと見ただけで、やはり、熱心に熱帯魚をながめていました。そして、心からそう思うもののごとく、
「いいな、こんな魚たちは、なんにも知らずに、のらり、くらりと、ただ食べて、泳いでいられて、おれたちは、病気で、仕事を一日休むのも、容易でないんだからな。」と、ひとりごとをいいました。
たとえ、それが事実であっても、この世の中では、まだ少年に真に同情するものがなかったのです。少年は、また重そうに病める足を引きずりながら、歩いていきました。
From 小川未明, つばめと魚 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.