JLPT N1 · Graded reading

野菊の花

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「それで、どうしたの。」と、清吉は、ききました。

「みんな、見てるよ。」

「困るね。僕たちの遊ぶ原っぱへ捨てるなんて、だれだろうなあ。」

清吉の心は、もうそのほうへ奪われてしまいました。

棒を持った正二も、清吉についてきました。

二人は、並んで歩きながら、話をしました。

「このあいだ、どこかの若いおばさんが、ねこの子をこの原っぱへ捨てにきたとき、正ちゃんはおらなかったかな。」

「ああ、おったとも。僕たち、ボールを投げていたじゃないか。まだ三十ぐらいのやさしそうなおばさんだったろう。」

From 小川未明, 野菊の花 via Aozora Bunko. Public domain; transcribed and proofread by Aozora Bunko volunteers.